研究課題/領域番号 |
11480118
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
八尾 健 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 教授 (50115953)
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研究分担者 |
内本 喜晴 京都大学, 大学院・エネルギー科学研究科, 助教授 (50193909)
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キーワード | 水溶液合成 / 燃料電池 / 薄膜 / 固体電解質 / 電極触媒 / ジルコニア / ランタン遷移金属酸化物 / 熱膨脹 |
研究概要 |
固体電解質型燃料電池は、広い表面積、電気抵抗の低減、多層化等を実現するため、薄膜材料の使用が必須となる。水溶液合成法は、大きな面積や複雑な形状を持つ基板に対し製膜することが容易で、またこのプロセスは高温を必要とせず、常圧のもとで行うことができる上、特殊な装置を必要としないため、コストの大幅な低減が可能となる。さらに生成した膜の均質性も高くなると考えられる。この水溶液合成法の特徴を生かし、製膜中に水溶液成分を変化させることにより、異なる固相が混じり合いながら徐々に入れ替わる、いわゆる傾斜構造をもった電池を作製し、熱膨張を連続的に変化させることにより、熱応力の問題が解決されると考えられる。金属フルオロ錯体溶液にフッ化物イオンと安定な錯体を形成するホウ酸を加えることにより、フルオロ錯体の加水分解反応が進行した。この反応により、電解質ならびに電極の材料となるジルコニア及びランタン遷移金属系ペロブスカイト型酸化物を水溶液から合成することを可能とした。水溶液合成法においては、遷移金属イオンの原子価制御が特に重要である。バキュームグローブボックスを購入してその中で合成を行い、空気中の酸素の影響を取り除き、精密な材料制御を行った。LB膜作製装置を購入し、基板表面を精密に制御した合成を可能とした。水溶液中での薄膜生成機構と基板表面の状態の関係については、今後も研究を継続していく。
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