研究課題/領域番号 |
11480125
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
柴田 誠一 京都大学, 原子炉実験所, 教授 (80110708)
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研究分担者 |
篠原 厚 大阪大学, 理学部, 教授 (60183050)
高宮 幸一 京都大学, 原子炉実験所, 助手 (70324712)
大久保 嘉高 京都大学, 原子炉実験所, 助教授 (70201374)
柴田 徳思 高エネルギー加速器研究機構, 教授 (80028224)
静間 清 広島大学, 工学部, 教授 (10127657)
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キーワード | 原爆 / 中性子 / 核反応断面積 / DS86 / ^<60>Co / ^<63>Ni / ガンマ線スペクトロメトリー / 液体シンチレーション法 |
研究概要 |
^<63>Cu(n,p)^<63>Ni反応の中性子核反応断面積測定は、東北大学工学部・高速中性子実験室のダイナミトロン加速器で照射した銅の中空の球殻試料を用いて行った。照射した銅試料からニッケル、コバルトを化学的に分離・抽出し、^<63>Niは液体シンチレーション法により、^<60>Coはガンマ線スペクトロメトリーにより放射能測定を行った。その結果、^<63>Cu(n,α)^<60>Co反応で生成した^<60>Coの反応断面積についてはこれまでに報告された文献値とよく一致し、照射に用いた中性子エネルギーの評価の妥当性が確認された。また^<63>Cu(n,p)^<63>Ni反応の励起関数には、特徴的な微細構造が見出された。この構造の原因について反応機構との関連の可能性を含めて現在考察を進めている。この励起関数測定の実験と並行して、原爆で照射された銅試料中からニッケル、コバルトを化学分離して^<63>Ni、^<60>Coの測定を行った。^<60>Coについてはこれまでポジティブな結果は得られていない。^<63>Niについては化学分離・精製法を改良し、現在も測定を続行している。この結果を待って原爆速中性子スペクトルの評価を行い、これまで指摘されている実験値と計算値(DS86)との相違について、その原因を明らかにする。 本研究の予備的結果は、第5回核化学・放射化学に関する国際会議(スイス、平成12年9月)と2000年環太平洋国際化学会議(ハワイ、平成12年12月)で報告するとともに、国内では第44回放射化学討論会(神戸、平成12年9月)、第35回京都大学原子炉実験所学術講演会(熊取、平成13年1月)、日米セミナー「線量評価ワークショップ」(広島、平成13年3月)にて発表した。
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