研究概要 |
本研究では、より多くの観点からアフリカの環境・気候変動を解析するため、まず植生の分類を行なった。これのために,NOAA/AVHRRの1986-91年の衛星データを、可視光線だけでなく、熱赤外チャンネルのデータも用いて、GISのもとにアフリカの植生図を作成し、各地の植物の活性の季節変化等を明らかにした。 アフリカの年間気温はほとんど一定であるため、降雨量は極めて季節変化の重要な要素である。しかし、面積約3千万km^2もあるアフリカ大陸において気象観測点は相対的に少なく、データも欠損していることが多い。本研究では、NOAA/AVHRRの衛星データからのNDVIと観測点からの降雨量の間には極めて高い相関関係があることがわかった。この結果を利用してアフリカ大陸の各月のラスター型の降雨量図を算定した。さらに、求めた降雨量をもとに各植生に関する降雨量の季節変化のパターン(rainfall regimes)を明らかにした。 また、地表面の被服物によって、太陽エネルギーの異なった熱変換が行われるため、本研究では、地表面の温度と植生の関係に注目し、衛星データの熱バンドから地表面の温度分布を求め、NDVIとの比の値からアフリカ大陸の各地の蒸発散量を見積もった。 今後の課題として、LANDSAT,SARやTRIMMのデータを用いて、アフリカの気候・環境変動のメカニズム、特に熱帯雨林の役割に主点を当て、研究を進めたいと思う。
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