1.大気中のダイオキシン類濃度の同族体プロファイル 関東の高濃度地域および大阪府域の郊外地域で大気中の気体状および粒子状のダイオキシン類(polychlorinated dibenzo-p-dioxin and dibenzofuran PCCD/F)同族体の濃度比(同族体プロファイル)を測定した。特に粒子状のものについては、微小粒子(粒径2μm以下)と粗大粒子(粒径2μm以上)を区別して採取し、PCCD/Fの分析に供した。粒子状のPCCD/F濃度は塩素数の増加とともに高くなったが、気体状のものでは、逆に塩素数の増加とともに濃度は低くなった。但し、8塩素ダイオキシン類(octachlorinated dibenzo-p-dioxin OCCD)濃度は顕著に高かった。 2.大気中廃棄物焼却粒子濃度とダイオキシン類濃度との関係 CMB(Chemical Mass Balance)法によって推定した廃棄物焼却粒子濃度と観測された粒子状PCCD/F濃度の関係を調べた結果、廃棄物焼却粒子中のPCCD/F含有率は3〜5μg/gであることが明らかになった。 3.廃棄物焼却施設排出粒子のダイオキシン類含有濃度と同族体プロファイル 産業廃棄物焼却施設から排出される煤塵濃度測定(JISZ8808による)で石英繊維製円筒濾紙に捕集された排出粒子について、PCCD/Fを測定し同族体プロファイルを調べた結果、大気中の粒子状あるいは気体状のものとは明らかに異なっていた。
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