研究分担者 |
石井 愃義 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (30035331)
上月 康則 徳島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60225373)
岡部 健士 徳島大学, 工学部, 教授 (10035652)
和田 恵次 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80127159)
石川 愼吾 高知大学, 理学部, 教授 (90136359)
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研究概要 |
1.汽水域にあたる河道範囲の定期横断測量資料(1962年〜1999年)を整理し,データベース化した上で,汽水域州上における植物群落の立地環境とその変化を調べた.現在、河口域ではヨシ,アイアシ,オギ,セイタカアワダチソウ群落が,それぞれ0.0-0.0.75m,0.75〜1.25m,1.25〜1.5m,1.5〜2.25mの比高範囲で優占して分布していた。州上でこれら植物群落が分布する領域の面積は,近年になって増加してきており,これは,地形の変動量が小さくなったことに対応していた. 2.ヨシ群落内における底生動物の分布を調べた。結果,ベンケイガニ類(6種)、カワザンショウガイ類(5種)ともヨシ原に限定して分布するものの、河口からの距離と潮位高により、それぞれの種の生息域が特徴付けられることがわかった。 3.干潟のスナガニ類3種の分布を予測する統計モデルを作成した.また,夏期の吉野川干潟のヤマトオサガニの個体数は約120,000,000で,流域からの年間排出窒素量の約0.09%がヤマトオサガニによって固定され,2.5%が浄化されていると推算された. 4.イセウキヤガラ個体群の維持機構について調査した.個体群内では,実生よりも塊茎由来のシュートが多く,1つの塊茎が1年間に約20本のシュートを出し,根茎の全長は1.5m以上になると推定された。埋土種子数は有機物含有量の多い土壌に多く存在していたが,発芽能力のない種子が約20%含まれていた。成長実験では,粗砂・低水位で成長がよく,相対光量子密度30%の遮光条件下ではシュートの伸長成長がよいこと,完全な沈水状態に対する耐性は低いことがわかった。
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