研究分担者 |
石井 愃義 徳島大学, 総合科学部, 教授 (30035331)
上月 康則 徳島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60225373)
岡部 健士 徳島大学, 工学部, 教授 (10035652)
和田 恵次 奈良女子大学, 理学部, 教授 (80127159)
石川 慎吾 高知大学, 理学部, 教授 (90136359)
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研究概要 |
1)データベース化された吉野川河道内の定期横断測量資料等をもとに,過去,30年にわたる河口付近の河床変動を把握した.また,今後10年程度の間に,河床がどのように変化するかについての予測を行った.その結果,初期には上流のダムへの堆砂や砂利採取に連動し激しい河床変動が生じていた.しかし,近年は局所的な河床低下と河床上昇が生じており,全体としては堆積傾向にあるものの比較的安定した状態になっていることが示された.そして,こうした傾向はしばらくの間,継続すると考えられた. 2)河口域のヨシ群落内では,ベンケイガニ属の2種が同一の場所で生息していることが現地調査で明らかになった.この共存機構を明らかにするために,これら2種の組み合わせを変えながら飼育実験を行った.その結果,これら2種には競争的排除を伴わない共存機構が存在することが示唆された. 3)2001年のイセウキヤガラ個体群の分布やサイズ,密度について調査し,1999年のそれと比較した結果,河口域付近および最上流域の地域個体群のパッチ面積は大きく変動していることが明らかになった.また,塩分濃度が高い地域や礫質な立地ではシュートの成長が悪く,種子生産量も少なくなる傾向があった.地域個体群の拡大は塊茎から出芽した地下走出枝とシュートによるものが多かった.ただし,沈水状態や低照度条件では生育が極端に抑制されることにより地域個体群の拡大が抑制されることが,実験より明らかになった.他の地域への侵入・定着には種子が大きく寄与していると推測された. 4)イセウキヤガラ種子の分散過程をシミュレーションするための水理モデルを構築した. 5)ロジスチック回帰分析や重回帰分析を用い,マクロベントスの分布を底質の粒度組成や塩分濃度を用いて把握可能であるかどうかを検討した.その結果,ロジスチック回帰分析を用いれば,出現の有無をある程度予測することが可能であることが示された.
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