研究課題/領域番号 |
11480144
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
香川 順 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (90055955)
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研究分担者 |
成瀬 光栄 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (40120018)
萩原 啓実 東京工業大学, 大学院・生命理工学, 助教授 (90189465)
福田 康一郎 千葉大学, 医学部, 教授 (10009649)
石原 陽子 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50203021)
西川 俊郎 東京女子医科大学, 医学部, 助教授 (50120019)
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キーワード | 内分泌撹乱化学物質 / 肺の発生 / 健康リスク評価 / 骨代謝 / 胎仔骨発達 / 胎仔骨 / スクリーニングテスト / 合成女性ホルモン |
研究概要 |
平成11-12年度の実験成績を基に、実験を行ない下記の結果が明らかなった。 ES投与群では生後10日目の肺Clara cell由来CYP2F2,P450 reductase,Collagen III,IVmRNA遺伝子発現量が、対照群に比較して低値を示す傾向が認められ、DESの母体を介した仔マウスの初期肺成熟過程に影響を与えていることが示唆された。(2)In vitro実験から、ダイオキシン類の3-メチルコラントレン(3MC)は破骨細胞と骨芽細胞の分化抑制を引き起こすことから、アリルハイドロカーボン受容体を介した骨代謝回転に影響を与えていることが示唆された。(3)DESおよび各種偽内分泌撹乱化学物質を投与した妊娠マウスの胎仔の骨発達と分化、特に中手骨、中足骨、胸骨、上後頭骨の骨化遅延を引き起こすことが判明した。DESの濃度反応曲線の検討では、しきい値の有無は確認できなかった。(4)ダイオキシン投与妊娠マウスの胎仔の第2、第5中手骨の軟骨細胞数密度が、対照群に比較して低いことが判明した。(5)DES(0.05-5μg/kg)投与妊娠ラットの仔ラットの肺成長過程での呼吸パターンは、対照群と比較した場合、明らかな差は認めず、又気管支収縮剤であるメサコリンに対する反応性にも大きな差は認めなかった。(6)内分泌撹乱化学物質のスクリーニング手法として、高感受性とされるプラナリアを用いて、その再生能を指標に検討したところ、上記実験2,3の結果と乖離が認められた。 以上の実験成績から、偽あるいは内分泌撹乱化学物質は肺の発生、構築に影響を与えている可能性が示され、又、内分泌撹乱化学物質に高感受である始原細胞・幹細胞の結果と哺乳動物での結果が必ずしも一致しないことが示唆された。
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