研究課題/領域番号 |
11480151
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
羽野 忠 大分大学, 工学部, 教授 (80038067)
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研究分担者 |
高梨 啓和 大分大学, 工学部, 助手 (40274740)
平田 誠 大分大学, 工学部, 助教授 (20264327)
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キーワード | 発展途上国 / 簡易化 / 脱窒 / 独立栄養細菌 / 硫黄酸化細菌 / Thiobacillus denitrificans |
研究概要 |
発展途上国における表流水の硝酸態窒素汚染の防止を目的として、硫黄酸化細菌(Thiobacillus denitrificans)を用いた簡易な脱窒処理システムの開発を行った。すなわち、硫黄粒子と石灰石粒子とを混合したカラムを用いて、脱窒速度に対する温度、リン濃度、pHの影響を詳細に検討した。その結果、本菌体は他の菌体と比較して活性化エネルギーが比較的大きく温度影響を受けやすいが、従来の懸濁法ではなく生物膜法を用いることによって活性化エネルギーを約2分の1にすることができ、温度影響を小さくできることができるため、温度制御を伴わない簡易処理が十分に可能であることが明らかになった。また、リン濃度の影響は比較的大きいが、その影響は、脱窒時のpH低下に対するリンの緩衝作用の低下によるところが大きいと考えられることを明らかにした。懸濁系回分実験の結果から、リン濃度は一般的な家庭雑排水中のリン濃度よりも低い1mg-P/Lであれば十分と考えられた。このため、石灰石の充填量を増やすこと等によってリン濃度の影響は小さくなり、簡易処理を行う際に問題となりにくいことを明らかにした。 以上の成果を基にして、平成12年度は、長期間の連続処理実験を行って操作条件と除去率との関係を詳細に検討し、最適操作処理条件の探索を行う。
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