研究課題/領域番号 |
11480154
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研究機関 | 東北学院大学 |
研究代表者 |
石橋 良信 東北学院大学, 工学部, 教授 (10111246)
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研究分担者 |
国包 章一 厚生省国立公衆衛生院, 水道工学部, 部長 (90083740)
大村 達夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111248)
大垣 眞一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20005549)
木村 憲司 前澤工業(株), エンジニアリング事業部, 部長
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キーワード | サイクロスポーラ / 輸入感染症 / 原虫 / 消毒耐性 / 上水道 |
研究概要 |
(1)検出法の検討 検討内容は、オーシストの形態的特徴の把握(顕微鏡撮影による直径の測定および内部構造の観察)、自家蛍光の退色時間の把握、クリプトスポリジウムとサイクロスポーラが混在している状況下で両原虫を同時に検出する方法を検討した。観察、測定は3種の顕微鏡と波長の異なる6種のフィルターを用いて行った。その結果、サイクロスポーラのオーシストは9.6μmの個体が多い。退色までに要する時間は30秒以上で、フィルターによっては300秒を越えるものもみられた。サイクロスポーラとの同時観察はフィルターの種類とクリプトスポリジウムのFITC染色、DAPI像の組み合わせで可能である。ただし、サイクロスポーラの自家蛍光は退色後は再発光しないので、フィルターによっては速やかに観察し、蛍光観察後は光路を切り替え、内部構造の観察に移り、次にクリプトスポリジウムの観察を行う必要があった。 (2)がん細胞感染オーシストの回収、検出 がん細胞に感染したクリプトスポリジウムオーシストの回収には界面活性剤tween80が有効であり、トリプシン消化のもとがん細胞を染めることなくFITC染色で検出できた本実験はサイクロスポーラへの適用を想定している。 (3)ネパールでの感染率調査 ネパールはサイクロスポーラ症の多い地域である。ネパールの医学研究者とともに、年令別、性別等の感染状況調査を試みた。また、回収したサイクロスポーラオーシストは実験に供した。 一方、水系感染の可能性を把握するために各国の水道水と環境水中のサイクロスポーラおよびクリプトスポリジウムの存在を調査している。 なお、研究調査は分担者のみならず、神戸大学、兵庫県立衛生研究所とも連携して遂行している。
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