研究分担者 |
国包 章一 国立公衆衛生院, 水道工学部, 部長 (90083740)
大村 達夫 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30111248)
大垣 眞一郎 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20005549)
木村 憲司 前澤工業(株), エンジニアリング事業部, 部長
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研究概要 |
サイクロスポーラはクリプトスポリジウムと同様な振興寄生虫病であり,飲料水または食物を通して経口感染し,激しい水様性の下痢等の症状を呈する.クリプトスポリジウムとは異なり,わが国では水道による集団発生は生じていないが,輸入感染症として7例(9例)の発症がみられており,水道水を介して発生する危険性がある,本研究は水道におけるサイクロスポーラの集団発生を未然に防ぐ観点から遂行されたものである.しかし,本原虫に関する研究調査は緒についたばかりであり、知見は少ない.本研究はサイクロスポ-ラの基礎知見を得ることを目的になされている。 本年度は,いくつかの実験をこころみている.具体的には,供試ヒト由来のサイクロスポーラが遺伝子解析によりCyclospora cayetanensisであるとの同定した.これにより,動物由来のサイクロスポーラと区別することができ、将来のゲノタイプ研究の一助となった.また,環境水および下水中における存在の有無を調査したが,幸いサイクロスポーラ・オーシストは検出していない.この点については今後,季節的、また旅行の機会の多い長期休暇後に照準にした継続的調査の必要性を感じている。紫外線照射および塩素による消毒効果については,詳細に検討し,クリプトスポリジウムより弱く、浄水の際の消毒効果が容易になる等の知見を得ている。ヒトの癌細胞への感染と増殖の有無について前年度からの継続として検討した. 一方,感染者の多いネパールに分担者とともに出向き、感染状況の情報収集を行った.
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