研究課題/領域番号 |
11480183
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (30179569)
|
研究分担者 |
初沢 清隆 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (20256655)
長濱 正巳 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (60281169)
宍戸 佳津子 (谷 佳津子) 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (40266896)
|
キーワード | ゴルジ体 / 小胞体 / 逆行輸送 / 三量体GTP結合タンパク質 / ホスホリパーゼ / 膜融合syntaxin |
研究概要 |
ゴルジ体は分泌タンパク質の選別と輸送において中心的な役割を担っているオルガネラである。動物細胞における間期のゴルジ体は小胞の出芽と融合を繰り返しながらも常に一定の膜構造(層板構造)を保っており、このことは小胞体からゴルジ体への膜の流入とゴルジ体からの膜の流出が平衡状態に保たれていることを意味している。ゴルジ体の構築機構の研究は近年開始されたが、まだ不明な点が多い。本年度の研究では以下のことを解明した。 (i)ゴルジ体の構造維持に関与する三量体GTP結合タンパク質の同定 我々は以前の研究において、ゴルジ体の構造が三量体GTP結合タンパク質(α、β、γサブユニットから成る)によって調節されていることを見い出していた。本年度の研究では、その分子種がGaz及びGai2であり、βγサブユニットは関与していないことを明らかにした。 (ii)小胞体とゴルジ体の中間コンパートメント(ERGIC)に存在するp125の同定 ゴルジ体の形成には小胞体からの膜の流入が必要であり、それゆえゴルジ体の構築原理を考える上で、小胞体-ゴルジ体間膜輸送機構の解明は非常に重要である。小胞体から出芽する小胞のコートタンパク質の成分(mSec23p)と相互作用する新規タンパク質としてp125を同定した。このタンパク質はホスホリパーゼAに類似した構造を持ち、主にERGICに存在している。p125を過剰発現させるとERGICやゴルジ体は分解し、このことはp125がこれらのオルガネラの形成に関わっていることを示唆する。 (iii)小胞体に存在する新規syntaxinの同定 ゴルジ膜との融合に関与する膜タンパク質の一部は、輸送小胞に結合して小胞体からゴルジ体へと運ばれる。それゆえ、輸送を維持するためにはそれらのタンパク質を小胞体に回収する必要があり、この輸送はゴルジ体から小胞体への逆行輸送によって行われている。酵母のUfe1pは小胞体に存在し、逆行輸送経路に関与することが知られているが、そのホモログと思われる動物タンパク質をtwo-hybrid法を用いて同定した。
|