研究概要 |
我々は、GFPのβ-can構造にメスを入れる方法として、circularly-permuted GFP(cpGFP)を用いた。これにCa^<2+>センサーとしてのカルモデュリンとその標的ペプチドを組み込み、Ca^<2+>濃度に従って蛍光特性を変えるGFPを創り出した。我々が最近開発したのがCa^<2+>感受性GFP"pericam"である。pericamのバリエーションを増やし、個々についても明るさなどの向上を図った結果、1波長励起1波長測光型のものとして、Ca^<2+>によって蛍光強度が増大する"flash-pericam"、蛍光強度が減少する"inverse-pericam"、Ca^<2+>によって色が変わる2波長励起1波長測光型の"ratiometric-pericam"が得られた(Proc.Natl.Acad.Sci.USA,2001)。様々な蛋白質-蛋白質相互作用をcpGFPに組み込ませ、細胞機能をセンスする蛍光指示薬を開発中である。 プレート上の、GFP,RFPを発現する多数のコロニーの蛍光の特性を一度に解析するシステムを作製した。モノクロメーターで励起光を選択し、光ファイバーを使ってプレートを均一に照射する。プレートの蛍光像を様々な干渉フィルターを経てCCDカメラで撮り画像化する構成になっている。 一度にプラスミド上のあらゆる箇所でランダム変異を含めた変異導入ができる遺伝子工学的手法を開発した(Nucleic Acid Research,2000)。この方法は、応用範囲が広く、迅速で低コストという利点を併せ持つ。この手法を利用してGFPの試験管内進化を試みたところ、新しい色の蛍光蛋白質(CGFP)の遺伝子が得られた(Nucleic Acid Research,2000)。CGFPは著しくpHに対して抵抗性を示すことがわかった
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