研究課題/領域番号 |
11480189
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
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研究分担者 |
由良 敬 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50252226)
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キーワード | モジュール / イントロン / モジュールシャッフリング / リン酸基結合 / キシラナーゼ / キメラ酵素 / 糖結合 / 3Dキーノート |
研究概要 |
立体構造既知のタンパク質のすべてをモジュールに分解し、モジュールを部品としたタンパク質の機能進化の様式を解明する事を目的に研究の1年目をスタートした。今年度はDNAとの相互作用、金属イオン結合、基質糖の認識などの機能部位がモジュールにどのように分担されているのかを解析し、モジュールに機能をアサインした。 さらに、これらの機能性モジュールがどのようなタンパク質にシャッフルされているのかを明らかにするための研究を開始した。申請者らが開発したモジュール自動同定法プログラムにより、立体構造が既知のすべてのタンパク質をモジュールに分解し、モジュールの立体構造と機能によりモジュールを分類し、以下の成果が得られた。 (1)立体構造が有意に類似しているリン酸基結合HTHモジュール(pbHTHモジュール)が数種の異なるDNA結合・修復酵素に存在しており、しかも類似のDNA結合様式をもっていることから、これらのモジュールは遺伝子間でシャッフルされたと考えられた。(2)モジュールの立体構造と機能の類似性はモジュールのアミノ酸配列に一定のパターンを与えていることを明らかにし、3Dキーノートの概念を提唱した。(3)ファミリー10に属するキシラナーゼの触媒ドメインは22個のモジュールにわかれたが、機能部位はモジュールに局在しており、モジュールの機能的な意味が示された。8種の真菌のキシラナーゼ遺伝子で、触媒ドメイン内のイントロンの位置はモジュール境界と統計的に有意な相関を示した。(4)ファミリー10に属する2種のキシラナーゼ間で、モジュールM10を交換したキメラ・キシラナーゼを作成したところ、酵素活性は10分の1に下がったものの、構造と機能は維持された。さらにM10にアミノ酸置換を施したが、活性は維持されており、モジュールM10が構造的に柔軟であることが示された。
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