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1999 年度 実績報告書

蛋白質構造の「揺らぎ」による電子移動過程の制御

研究課題

研究課題/領域番号 11480191
研究種目

基盤研究(B)

研究機関京都大学

研究代表者

森島 績  京都大学, 大学院・工学研究所, 教授 (50026093)

研究分担者 若杉 桂輔  京都大学, 大学院・工学研究所, 助手
高橋 聡  京都大学, 大学院・工学研究所, 助手 (30283641)
石森 浩一郎  京都大学, 大学院・工学研究所, 助教授 (20192487)
キーワード電子移動 / 揺らぎ / ヘム蛋白質 / 高圧レーザーフラッシュフォトリシス
研究概要

平成11年度は、蛋白質における電子移動のモデル系として、亜鉛置換型ハイブリッド型ヘモグロビンを作成し、その光誘起電子移動の圧力依存性を検討した。亜鉛置換型ハイブリッドヘモグロビンはヒトヘモグロビンのβサブユニットの鉄ポルフィリンを亜鉛ポルフィリンに置換し、天然状態の鉄ポルフィリンを含んだままのαサブユニットと再会合させることにより構築した。532nmのレーザー工を照射することにより、βサブユニットに三重項励起状態の亜鉛ポルフィリンを発生させ、αサブユニットの鉄(III)ポルフィリンへのサブユニット間電子移動を行わせた。この電子移動反応を、我々が独自に開発した高圧レーザーフラッシュフォトリシス装置を用いて、約1000気圧まで加圧し、その電子移動速度の変化を追跡した。電子移動反応速度は加圧によって加速され、その活性化体積は約-4cc/molと算出できた。この値をもとに、蛋白質構造における揺らぎを反映する指標である、単位長さあたりの加圧による電子移動距離の変化量[1/d(dd/dp)]を推定すると、約-5x10^<-5>MPa^<-1>と計算された。この値は、ヘモグロビンと同様な構造を有し、単量体で存在するミオグロビンの分子内電子移動とほぼ同程度の変化量であった。以上の結果は、ヘモグロビンにおけるサブユニット界面での電子移動は、同種の蛋白質における分子内電子移動とほぼ同じ機構であることを示しており、サブユニット界面における蛋白質の構造的揺らぎは予想よりも小さいことが示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Tanaka M.: "Luminol Activity of Horseradish Paroxidase Mutants Mimicking a Proposed Binding Site for Luminol in Arthromyces Ramosus Peroxidase"Biochemistry. 38. 10463-10473 (1999)

  • [文献書誌] Furukawa Y.: "Pressure Dependence of the Intramolecular Electron Transfer Reaction in Myoglobin Reinvestigated"J. Phys. Chem. B. 104. 1817-1825 (2000)

  • [文献書誌] Inaba K.: "Substitution of the Heme Binding Module in Hemoglobin α- and β -subunits -Implication for different regulation mechanism of the heme proximal structure between hemoglobin and myoglobin-"J. Biol. Chem.. 275(印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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