研究課題/領域番号 |
11480241
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経科学一般
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
宮川 博義 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (90166124)
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研究分担者 |
井上 雅司 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (30339098)
森田 光洋 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (50297602)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 海馬 / ネットワーク振動 / 樹状突起 / 光学的測定 / 抑制性シナプス / GABA |
研究概要 |
本研究の目的は海馬の神経ネットワーク振動の成因を解明することであった。この研究を始めるにいたった動機は、能動性樹状突起と抑制性ニューロンの回路網との相互作用が脳・神経系における情報処理に重要であるという仮説であった。この目的のために、電位感受性色素を用いた光学的手段によって海馬スライス標本の神経活動を観測し、電気生理学的手段によって観測した神経活動とあわせて解析した。最終目的である海馬の神経ネットワーク振動の成因の解明にはいたらなかったが、能動性樹状突起と抑制性ニューロンの回路網との相互作用に関しては着実な成果を挙げることができた。その第一は、海馬CA1錐体細胞樹状突起の全長にわたってシナプス応答が非線型的加算を行い、非線型性はGABA作動性入力によってもたらされていることを明らかにしたものである。.この研究には電気生理学的手法(Hippocampus,2001)と電位感受性蛍光色素を用いた高速光学測定(Neuroscience2002)とを用いた。第二は、電位感受性蛍光色素を用いた高速光学測定によって海馬CA1錐体細胞樹状突起が発生する活動電位の順行性伝導を示し、GABA性入力によっては伝導速度および伝導方向が変化しないことを見出したものである(Neuroscience印刷中)。また、論文発表には至っていないが、神経ネットワーク振動の成因の解明につながる、いくつかの糸口をつかむことができた。
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