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2001 年度 実績報告書

バイジェニックラットを用いたインスリン抵抗性の発現機構に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 11480248
研究機関東京大学

研究代表者

西原 真杉  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90145673)

研究分担者 鈴木 正寿  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (70302594)
高橋 伸一郎  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (00197146)
キーワード肥満 / 糖尿病 / インスリン / 成長ホルモン / トランスジェニックラット / 細胞内情報伝達 / インスリン受容体基質 / チロシンリン酸化
研究概要

肥満、あるいはインスリン非依存性糖尿病に随伴する第一義的な代謝異常はインスリン抵抗性である。このインスリン抵抗性の発現機構を明らかにすることはその治療法の開発にとっても極めて重要である。本研究では、我々が作出した2系統のヒト成長ホルモン(hGH)トランスジェニックラット(高hGH系統、低hGH系統)を用いて、インスリンとGHのクロストークという観点からインスリン抵抗性の発現機構を解明すること目的としている。本年度は、高hGH系統を用いて、インスリンシグナルに対するGHの影響を詳細に調べるとともに、インスリン抵抗性発現における肝臓の役割について検討した。高hGH系統は高い血中hGH、IGF-I濃度を示し、体長、体重ともに対照ラット(nonTG)に比べ増加していた。また、高い血中インスリン濃度を示す一方で、血糖値、耐糖能はnonTGと同等であった。初代培養肝細胞を調整し、インスリン感受性について調べた結果、肝細胞においては糖取り込みの上昇が観察された。また、TGの肝細胞におけるグリコーゲン合成酵素の活性化も上昇していた。さらに、インスリン依存的に誘導される脂肪酸合成酵素mRNAの発現が上昇していた。次に、インスリンシグナルについて調べた結果、TGの肝細胞におけるインスリンレセプターのインスリン依存性自己リン酸化とチロシンキナーゼ活性化およびIRS-1チロシンリン酸化はわずかに低下していたが、IRS-2のチロシンリン酸化は上昇しており、肝細胞のインスリン感受性の上昇の少なくとも一部は、IRS-2レベルで生じていることが明らかとなった。以上のように、GH分泌の亢進によりインスリン抵抗性が組織および経路特異的に発現するが、肝臓の取り込み能が向上し、肝臓がその機能を維持しうる限り血糖値や耐糖能を正常に保つことができることが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 米沢智洋, 他: "実験動物における成長ホルモン分泌調節機構"内分泌・糖尿病科. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Kabuta T, 他: "Insulin receptor substrate-3 functions as transcriptional activator in the nucleus"J Biol Chem. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] Furuhata Y, 他: "Effects of pair-feeding and growth hormone treatment on obese transgenic rats"Europ J Endocrinol. 146. 245-249 (2002)

  • [文献書誌] Furuhata Y, 他: "Impaired insulin signaling in the liver of transgenic rat with low circulating growth hormone levels"J Endocrinol. 172. 127-136 (2002)

  • [文献書誌] Yonezawa T, 他: "Detection of transgene in progeny at different developmental stages following testis-mediated gene transfer"Mol Reprod Dev. 60. 196-201 (2001)

  • [文献書誌] Takahashi S-I, 他: "Long-term hormonal regulation of cAMP-specific phosphodiesterases in cultured FRTL-5 thyroid cells"Biophs Biochem Acta. 1540. 68-81 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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