研究概要 |
肥満と糖尿病に燗する遺伝子座の検索 肥満と糖尿病を示すOLETFラットと正常ラットF344とを交配してF1ならびにF2ラット約200匹を作成し、30週まで飼育後、糖負荷試験後の血糖値ならびにインスリン値を測定し、その後、主として肥満に関わる表現型である腹腔(後腹膜、副睾丸、腸間膜)脂肪をそれぞれ取り分け、その重量を測定した。また、皮下脂肪はEM scanにて測定し、全脂肪量測定後、腹腔脂肪を差し引いたものとした。染色体マーカーは約230マーカーを取り上げ、全ゲノムスキャンを行った。その結果、染色体2,4,8,9,14p,14q,17番上にLOD score 4.3を超える遺伝子座がみいだされ、それらをObs1-7と命名した。そして、染色体14番は高血糖、高脂質に関する表現型がリンクしていた。 コンジェニック系統の作成 前回の研究で見い出した糖尿病に関する遺伝子座の主要な遺伝子座をOLETFラット雄をF344雌に交配して、F1を得、次いでこのF1の雄とF344雌とを交配してN2を得る。このN2雄約20〜30匹について、全染色体にわたって約20cM間隔でgenotypeを調べる。そしてその中から糖尿病遺伝子座に関する領域がヘテロで、他の領域がホモである確率の最も高い雄の子供(best male)を選択し、これをさらにまたF344雌と交配する。これを5世代くり返すことによりマーカー選択によるスピードコンジェニック系統を2系統作成した。現在予備的な実験を行ってその表現型を調べているところである。
|