研究課題/領域番号 |
11480252
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安斉 順一 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (40159520)
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研究分担者 |
星 友典 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (50302170)
鈴木 巌 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (30226493)
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キーワード | 高分子累積膜 / バイオセンサー / 分子配列 / 酵素 / 尿酸センサー |
研究概要 |
ウリカーゼとポリアミンを用いて配向制御された酵素超薄膜を作製し尿酸センサーへの利用を検討した。ポリアミンとしてポリアリルアミン(PAA)とポリエチレンイミン(PEI)を用いた。PAAとウリカーゼの超薄膜は交互累積法により大量の酵素を固定化するのに適していることがわかった。また、固定化される酵素量は累積回数に応じて増大することから、回数を加減して制御できることがわかった。一方、PEIを用いると固定化量はPAAを用いた時よりも少なかったが、膜から酵素が脱離することがないので水晶振動子ミクロバランス法により固定化量を正確に評価することが可能であった。PAAまたはPEIのいずれを用いた超薄膜でもウリカーゼは触媒活性を保持しており、この膜を白金電極に被覆して尿酸センサーとすることができた。PAAを用いて尿酸センサーとすると、膜を厚くすると尿酸の透過が制限されるために応答信号が飽和する傾向が見られたが、PEIを用いた場合には尿酸の透過性が高いためこのような現象は観察されなかった。PAAとPEIを用いた膜の相違は、超薄膜内のウリカーゼおよびこれらポリマー材料の配向や充填密度の違いに起因するものと考えられる。なお、このようにて作製した尿酸センサーは数ミリモル程度の尿酸を測定することができ、血液中の尿酸測定に適していることが明らかになった。
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