研究概要 |
Regenerative medicine:H13年度は移植を目的としたDoner細胞の再生・分化の機構を研究するために、生後24時間以内の新生児ブタ膵臓の主膵管を剥離・摘出後、少量のcollagenase下において主膵管を細切し、細胞分離を行った。分離された主膵管細胞をMatrigelに包埋し、三次元培養を行い膵主膵管細胞(幹細胞)から内分泌細胞への分化・再生の可能性を観察した。維持培養には近年、膵内分泌細胞の成長因子と云われているnicotinamide,HGF(hepaticyto growth factore)やGLP-1(glucagons like pepteide-1)等を添加したRPMI1640をもちいた。培養7日頃より主膵管細胞周辺に細胞塊が出現した。培養4週目頃からゲル内に樹状の小組織片が出現した。電顕にて未分化の管状構造と内分泌細胞を認めた。すなわち、三次元培養下にて膵管細胞からの内分泌細胞への分化の可能性を観察した。 Replacement therapy:ブタ細胞を用いて異種移植を行う上で最も重要な問題は、ブタ内在性レトロウイルス(PERV)の感染である。米国のCDCやFDAはブタ由来の細胞を移植されたRecepientのPERVの感染をモニターする目的で、PCR法を報告している。すなわち、CDCやFDAの方法に準じて、ブタの末梢血単核球(PBMCs)やブタPE-cells(pancreatic endocrine cells)におけるPERVのgag,pol,env領域のPCR解析を行った。次に、我々の開発したBio-AEPを移植した(ブタPE-cells→dog)犬の血液を経時的に採取し、PERV感染の有無を検索した。移植犬のいずれにおいてもPERVのマイクロキメリズムおよび感染は認められなかった。
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