研究課題/領域番号 |
11480262
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
大場 謙吉 関西大学, 工学部, 教授 (30029186)
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研究分担者 |
宮田 隆志 関西大学, 工学部, 助教授 (50239414)
板東 潔 関西大学, 工学部, 教授 (70156545)
浦上 忠 関西大学, 工学部, 教授 (80067701)
桜井 篤 関西大学, 工学部, 専任講師 (50162334)
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キーワード | 模擬赤血球 / 高分子ゲル粒子 / 粘弾性粒子 / 塑性変形 / 応力緩和 / ヘルツの接触理論 / 粒子のヤング率 / 粒子の変形能 |
研究概要 |
我々が製作に成功した、ヒト赤血球を寸法的・力学的・レオロジー的に正確に模擬できる直径約10μmのアルギン酸ゲル微粒子、すなわち「模擬赤血球」の弾塑性または粘弾性特性、ヤング率(縦弾性係数)および変形能を調べるために、マイクロマニピュレーターを用いて数種類の実験を行なったところ、以下のような結果を得た。 1).マイクロピペットで保持した模擬赤血球に平板を押し付けることにより初期の球形から扁平球状に変形させ、歪みと応力を同時測定する実験を行なうことができた。 2).模擬赤血球の変形実験より、模擬赤血球は短時間(約10秒以内)の中・小変形(約60%以内)に対しては完全な弾性を示したが、短時間大変形(約70%以上)と長時間中変形に対しては5〜10%の塑性変形が残った。また、変形量を一定に保って、数10分間放置すると応力緩和を起こした。 3).模擬赤血球の周囲媒体(血漿に対応)を水、デキストラン液、生理食塩水、塩化カルシウムに変えても、その粘弾性特性への影響は見られなかった。 4).模擬赤血球の変形率と応力の間の一意的な関係が得られた。 5).模擬赤血球の変形率が小さい時は、応力と変形率の関係はHertzの接触理論に良く従う。 6).Hertz理論を用いて計算した模擬赤血球のヤング率は0.075〜0.1MPaとなり、ゼラチンゲルのそれとほぼ一致した。
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