ゲノムの侵略と協調に関する総合的研究

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11490007
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 嶋 昭紘 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (60011590)
• 研究分担者: 上田 卓也 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80184927) ; 馳沢 盛一郎 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (40172902) ; 雨宮 昭南 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (30011670) ; 大矢 禎一 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (20183767) ; 河野 重行 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (70161338)
• キーワード: ウニ左右性関連遺伝子 / ラン色細菌 / 神経伝達物質 / 嗅覚受容体 / タバコ培養細胞 / レトロトランスポゾン / 前胸腺抑制ホルモン / エクジソン分泌

研究概要

1.脊椎動物で報告されている左右性関連遺伝子invとPitx2の、ウニホモログのクローニングに成功した。無脊椎動物で、これら両遺伝子のクローニングに成功した最初の例である。2.ラン色細菌の新規遺伝子pmgAの変異株を利用して、光化学系量比の調節の目的が、短期の生育速度を犠牲にして長期の生存を可能にすることにあることを明らかにした。3.神経系細胞におけるガン抑制因子(p53)と神経伝達物質(グルタミン酸)の連関が明らかとなった.4.嗅覚受容体は、アデノウイルスを用いて嗅覚神経細胞を発現系として用いた時、機能的に発現することを見い出した。5.GFP-tubulin遺伝子導入によるタバコ培養細胞を用いて、細胞分裂時を通して微小管の動態をリアルタイムで観察することに世界で初めて成功した。6.テロメア反復配列を標的とするレトロトランスポゾンにコードされるエンドヌクレアーゼの構造と機能を明らかにした。7.昆虫前胸腺からのエクゾソン分泌を抑制する前胸腺抑制ホルモンの化学構造を決定した。8.ラット小腸crypto様細胞IEC-6に、マウスcdx-2をstableにtransfectした細胞株を作製中である。9.日本の野生メダカ集団は遺伝的に遠い距離にある南北両集団から成り立っているが、南日本集団から樹立したテスター系統の雌/雄に、北日本集団または南日本集団由来の近交系雄/雌を交配した場合、テスター雄と北日本集団由来近交系雌の交配で、自然総突然変異率が逆の交配組み合わせにくらべ約10倍高いことがわかった。

研究成果

• [文献書誌] Minokawa,T.et al.: "Timing of the potential of micromere-descendants in echinoid embryos to induce endoderm differentiation"Dev.Growth Differ.. 41. 535-547 (1999)
• [文献書誌] Kurokawa,D.et al.: "HpEts,an ets-related transcription factor implicated in primary mesenchyme cell differentiation of the --"Mechanisms of development. 80. 41-52 (1999)
• [文献書誌] Sonoike,K.: "The different roles of chilling temperatures in the photoinhibition of photosystem I and photosystem II"J.Photochem.Photobiol.B:Biol.. 48. 136-141 (1999)
• [文献書誌] Nakashima,K.et al.: "Synergistic signaling in fetal brain by STAT3-Smad1--"Science. 284. 479-482 (1999)
• [文献書誌] Yamada,K.et al.: "NMDA receptor mediated Ca2+ responses in neurons --"Neurosci.Lett.. 264. 165-167 (1999)
• [文献書誌] Nakashima,K.et al.: "Developmental requirement of gp 130 signaling in --"J.Neurosci.. 19. 5429-5434 (1999)
• [文献書誌] Touhara K.et al.: "Functional identification and reconstitution of an --"Proc.Natl.Acad.Sci.,U.S.A.. 96. 4040-4045 (1999)
• [文献書誌] Kumagai,F.et al.: "Putative involvement of a 49 kDa protein in microtubule"Eur.J.Cell Biol.. 78. 109-116 (1999)
• [文献書誌] Takahashi,H.et al.: "Transcription analysis of the telomeric repeat-specific"Nucl.Acids Res.. 27. 2015-2021 (1999)
• [文献書誌] Satake,S.et al.: "Bombyxin secretion in the adult silkmoth Bombyx mori"J.Insect Physiol.. 45. 939-945 (1999)
• [文献書誌] Nagata,K.et al.: "Prothoracicotropic activity of SBRPs, the insulin-like"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 266. 575-578 (1999)
• [文献書誌] Satu,H.et al.: "Hypertonicity stimulates taurine uptake and transporter"Biochi.Biophys.Acta. 1419. 89-96 (1999)