研究課題/領域番号 |
11490011
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
宮川 道夫 新潟大学, 工学部, 教授 (50239357)
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研究分担者 |
佐伯 竜彦 新潟大学, 工学部, 助教授 (90215575)
金井 靖 新潟工科大学, 工学部, 教授 (00251786)
石井 望 新潟大学, 工学部, 助教授 (50232236)
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キーワード | 電磁波の有効利用 / 電磁環境の設計 / 建築材料 / 定在波法 / 複素誘電率 / 測定精度 / 数値解析 / シミュレーション |
研究概要 |
研究の根幹をなす構造材料の電磁波伝搬特性評価に不可欠な、建築材料の複素誘電率測定法について検討した。建築材料の特殊性を考慮、自由空間における定在波法を選択し、取得したRF反射特性解析システムを中核とする計測システムを構築、鉄筋コンクリート、ゴム、石膏ボード等の測定を行った。また、数値計算手法を用い、自由空間における定在波法の複素誘電率測定における精度評価を行った。石膏ボード、鉄筋コンクリートを例とするシミュレーション結果で、定在波比の値に比べ、電界最小の位置が複素誘電率の測定値に大きな影響を与えること、周波数が高くなるほど顕著になり、要求される許容測定誤差は小さくなり、結論としてサブミリメートルの位置測定精度が必要とされる事実を明らかにした。 組成が均一で寸法精度の高い建築材料に対しては、他の測定法も適用可能である。一手法として同軸プローブ法により、石膏ボードと天然ゴムシートの測定を行った。取得したRF反射特性解析システムに接続したHP社製同軸プローブユニットを用い測定したが、測定結果自体は、これまでに報告されている複素誘電率と近似した値を得ることができた。材料により、この計測手法も自由空間法による測定結果の妥当性を検証する手段として利用できる。 材料と空間のモデル開発に関する研究では、解析モデルの自動作成ツールとしての「自動セル分割ツール」の開発を行った。今年度は、想定した「内部に腔隙のある壁材」のモデルを例として採り上げ、モデル化ツールの有効性を確認した。 さらに、空間の電磁波伝搬特性を解析するため,レイトレーシング法を用いて、コンクリート壁で構成された長細い廊下の空間モデルを開発し、その電磁波伝搬特性を求めた。終端が完全反射板である場合と、吸収帯である場合の特性の相違を比較し、終端で反射のある場合の反射波の影響が及ぶ範囲等について、妥当な計算結果を得ることができた。
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