研究概要 |
研究実施計画に従い,リコンフィギャラブル・コンピューティング向け次世代FPGAについて研究開発を行った.本年度の主な成果を以下に示す. 1.市販FPGAによるリコンフィギャラブル・コンピューティング実験:市販FPGAを利用したリコンフィギャラブル・コンピューティング実験を行うことにより,リコンフィギャラブル・コンピューティング向け次世代FPGAに求められる要件を明確にした.具体的には,再構成時間隠蔽のためのマルチコンテキスト化,コンテキストを保持しておくためのメモリ構成,効率の良いデータ受渡し機構などについて検討を行った. 2.リコンフィギャラブル・コンピューティング支援ソフトウェアの開発:支援ソフトウェア開発のために,現有設備であるラピッドプロトタイピング環境や既存FPGA設計システムに関する調査・検討を行った.その結果,既存FPGA設計システムを核として,新たに次世代FPGAのために必要となる機能を追加することにより,支援ソフトウェアを実現できる見通しを得た. 3.リコンフィギャラブル・コンピューティングのアプリケーション検討:産業界における本格的な実用アプリケーションとして,画像処理におけるフィルタリングおよびイベントシミュレーションに不可欠な乱数発生アルゴリズムなどを取り上げ,ハードウェア化のための調査・検討を行った.特に乱数発生アルゴリズムは,ハードウェア化によりソフトウェアによる処理と比較して約500倍の性能向上が得られるなどの有効性が確認できた. 4.FPGAアーキテクチャの検討:上記研究経過を踏まえながら,実行時再構成機能の実現方式について検討を行った.これにより,次年度に向けたリコンフィギャラブル・コンピューティングを前提とする新しいFPGAアーキテクチャについての設計方針を明確にした.
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