リコンフィギャラブル・コンピューティング向け次世代FPGAの研究開発

2001 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11490028
• 研究機関: 熊本大学
• 研究代表者: 末吉 敏則 熊本大学, 工学部, 教授 (00117136)
• 研究分担者: 白水 博 九州松下電器, 技術本部開発研究所, 研究員 ; 柴村 英智 熊本大学, 工学部, 助手 (10264136) ; 久我 守弘 熊本大学, 工学部, 助教授 (80243989)
• キーワード: リコンフィギャラブル・コンピューティング / リコンフィギャラブルロジック / プログラマブルロジック / FPGA / 遠隔再構成

研究概要

研究実施計画に従い,リコンフィギャラブル・コンピューティング向け次世代FPGAについて研究開発を行った.本年度の主な成果を以下に示す.
1.次世代FPGAの設計・評価
FPGAの基本要素であるLUTの粒度(論理規模)の観点から、実用的な評価回路を用いて面積評価、遅延時間評価および実装密度評価を行い、それらに基づいてマルチコンテキスト機能、マルチグレイン/クラスタ機能、ならびに構成データキャッシュを併せ持つ次世代FPGA向き論理ブロックを提案した。また、各種評価を通じて、本方式の論理ブロックは従来の論理ブロックよりも実装密度と実装効率が向上し、構成データ量の削減ができることを明らかにした。
2.ソフトウェア開発環境の構築と次世代FPGAへの対応
リコンフィギャラブル・コンピューティング向き次世代FPGAの設計ツールと、それを利用するための開発環境の整備を行った。具体的には、本研究で開発した次世代FPGA向き論理ブロックのマルチコンテキスト機能およびマルチグレイン/クラスタ機能を効果的に活用するマルチコンテキスト抽出ツール、ならびにテクノロジマッピングツールを開発した。
3.リコンフィギャラブル・コンピューティングの適用実験
比較的統一されたプロトコルでコンフィギュレーションを行う事が可能なIEEE1149.1のIn System Programming (ISP)機能を利用し、遠隔操作によるデバイス再構成技術の開発を行った。また、マルチプラットフォームで動作するJava言語を利用し、遠隔のプラットフォームに依存しない統一されたインタフェースでの実行が可能なデバイス再構成用JavaAPI、およびコンフィギュレーション手法を開発し、リコンフィギャラブル・コンピューティングへの適応実験によりその有効性を確認した。

研究成果

• [文献書誌] 飯田全広, 末吉敏則: "リコンフィギャラブル・ロジック向き論理ブロックの提案と評価"情報処理学会論文誌. 43巻5号(印刷中). (2002)
• [文献書誌] Toshinori Sueyosi, Masahiro Iida: "Cofigurable and Reconfigurable Computing for Digital Signal Processing"IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences. Vol.E85-A, No.3(in press). (2002)
• [文献書誌] Masahiro IIDA, Toshinori Sueyoshi: "A Novel Programmable Logic Architecture for Reconfigurable Computing"Proc. of Pan-Yellow-Sea International Workshop on Information Technologies for Network Era (PYIWIT'02). 283-290 (2002)
• [文献書誌] 末吉敏則, 久我守弘, 柴村英智: "KITEマイクロプロセッサによる計算機工学教育支援システム"電子情報通信学会論文誌. J84-D-I巻6号. 917-926 (2001)
• [文献書誌] 武田直樹, 土黒功司, 當摩佳重, 柴村英智, 久我守弘, 末吉敏則: "遠隔操作によるFPGA/PLDデバイス再構成の実現"情報処理学会DAシンポジウム2001論文集. 73-78 (2001)
• [文献書誌] 末吉敏則: "プログラマブルロジックデバイス-過去から未来へ-"電子情報通信学会 信学技法. CAS2001-96. 17-24 (2002)