研究概要 |
これまでに私どもはリセプターとリガンドの結合ドメインを認識する抗体を用いて、ファージライブラリーから問題の結合ドメインミミック(模倣体)を直接デザインできることを明らかにした。 この手法を用い本年度は、サイトカイン等の機能を阻害する小分子のデザインの手掛かりを得るため、1)lgEの結合を阻害するlgEのFcεR1α結合ドメインミミック、2)IL5の結合を阻害するIL5結合ドメインミミック、3)IL6の結合を阻害するIL6結合ドメインミミックをデザインすること、また、4)すでに単離に成功しているケモカイン、MCP-1結合ドメインミミックモチーフを有するファージg3p分子をX線結晶解析するために、大腸菌を用いた大量発現系の構築を行った。 1)については候補となるファージクローンの単離が達成された。2)については「抗IL-5抗体(TB-13)に結合するファージクローンの単離」、碇正臣ら、日本免疫学会総会・学術集会記録、29巻、pp.210,3)については「ファージライブラリーを用いたIL-6シグナル制御モチーフの検索」、赤崎慎二ら、日本免疫学会総会・学術集会記録、29巻、pp.209、4)については「抗MCP-1抗体に結合するペプチドモチーフの解析」、加治正知ら、日本免疫学会総会・学術集会記録、29巻、pp.288,及び第36回ペプチド討論会講演要旨集、シンポジウム演題、「Analysis of Peptide motifs recognized with anti-MCP-1 monoclonal antibody」,M.Kaji et.al.pp.9、及び「生体制御分子の機能性ドメインのペプチドミミック」、Eighth Conference on Combinatorial Chemistry 1999,特別講演 要旨集、pp.17-22.、にて報告した。
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