研究分担者 |
栗本 英和 名古屋大学, 情報文化学部, 助教授 (40144125)
筧 一彦 名古屋大学, 人間情報学研究科, 教授 (90262930)
川口 潤 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (70152931)
吉崎 一人 愛知淑徳大学, 文学部, 助教授 (80220614)
川上 綾子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (50291498)
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研究概要 |
本年度実施したのは主に以下の点である。 (1)非言語コミュニケーション障害を診断するためのPCソフトウェアを作成し、その標準化手続きの一環として健常成人、TBI患者、左右脳損傷患者での資料を収集した。脳損傷患者関係のデータについてはその途上にある。この検査は,間接的表現の適切な理解ができるかどうかを診断することを目指しており,間接表現を間接的要求場面,間接的拒否場面に分けて,4コマ漫画を呈示して回答として最も適切と考えるものを3つの選択肢から選ぶという形式になっている。選択肢は,正解(間接的表現を理解できる),字義通りの理解,無関係の3つのカテゴリーに分けたものである。項目選択における手続きには,245名の大学生を対象とした実験を行い,選定した。PCソフトとして採用した項目の選定過程については、日本心理学会において発表し、業績にあげたように雑誌に掲載済みである。 (2)注意障害検査のスクリーニング検査作成:頭部外傷患者の認知機能障害を簡便に評価する検査作成のため,従来から実施されてきた検査と、患者の高次脳機能障害との関係を重回帰分析を用いて検討した。その結果,「学力の低下」,「記憶障害」については説明力のある検査項目が採用されているが,「注意障害」.「情報処理速度の低下」については新たに検査項目を開発する必要があることが明らかとなった。そのために数字抹消を課題とする検査を作成し、健常者の標準データを収集し分析した。この結果は、第3回認知神経心理学研究会において発表した。併せて、TBI患者と左右脳損傷患者でのデータを収集中である。
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