研究分担者 |
川上 綾子 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助手 (50291498)
川口 潤 名古屋大学, 大学院・環境学研究科, 教授 (70152931)
栗本 英和 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 助教授 (40144125)
吉崎 一人 愛知淑徳大学, コミュニケーション学部, 助教授 (80220614)
筧 一彦 名古屋大学, 大学院・人間情報学研究科, 教授 (90262930)
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研究概要 |
本研究は,最終的には脳損傷患者に多く見られる症状である非言語性のコミュニケーション障害を診断評価する検査の開発である。本研究ではとくに間接的表現理解の診断評価に焦点を当て,パソコン上で4コマ漫画を呈示し,語義通りの理解,間接的表現の理解,を被験者に尋ねる検査として構成した。検査は,健常成人の標準値との比較が出来る様式としている。非言語性のコミュニケーション障害の症状を多く呈する頭部外傷患者を対象とした検査実施結果の一部を公表し,関連分野の研究者から強い関心を得た。そこで,頭部外傷患者での実施症例を増加して再検査妥当性の検討をさらに加えることとした。また,局所性脳損傷患者での妥当性の検討なども追加し,近く市販する予定である。また,試作版を全国のリハビリテーション関連の病院に配布し,実用性の観点での妥当性の検討を加える予定である。なお,間接的表現理解の評価を行うための刺激作成の基礎研究として,(1)日本人の読書習慣が視覚刺激検索に及ぼす影響の検討,(2)周辺視野に呈示した視覚刺激情報がどのように処理されるのかについての検討,(3)日本語表記の種類による情動価の伝達メカニズムに関する検討,(4)画像や文字・単語から生成したイメージについての神経心理学的メカニズムの検討,(5)言語音声の韻律情報処理のメカニズムの検討,などを行い,神経心理学会,認知神経心理学研究会,日本心理学会,人工知能学会,International Neuropsychological Associationでの発表,国際学術誌への論文発表などの形式で,成果の一部を公表した。
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