研究概要 |
本年度,4月から,現有の設備を使用し様々な注意に関わる心理活動の実験研究を進めてきた.一旦,不採用と通知された本テーマに対して科研費の支給の決定が通知されたのは,通常よりも遅い10月20日であったが,大至急でシステムの開発研究を開始した.申請した装置の発注を行い,システムのプロトタイプを構築中である.平成12年度には,試作を実施する予定である。 並行して注意の変動に関する脳電位の測定と新しい解析法の研究を行っている.当初の計画のシステムでは,多チャンネルの脳波データを同時解析できるが,現有のコンピュータでは速度が遅いので,単チャンネルの解析しかできない.予定のシステムが完成するまでは,単チャンネルで眼球停留関連電位のリアルタイム処理を行っており,本年度は,複数作業中の脳波解析を行った。 さらに,視覚的注意に関する多面的な実験研究を行っており,1.視覚刺激特性に対する眼球停留関連電位の実験,2.視覚探索中の抑制の効果の実験,3.運動物体の予測性の効果,4.運動知覚の実験,5.運動性眼振による脳電位の実験研究を行い,学会,学会誌等で報告している。
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