研究課題/領域番号 |
11553001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
経済政策(含経済事情)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
鵜飼 康東 関西大学, 総合情報学部, 教授 (70098101)
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研究分担者 |
須田 一幸 神戸大学, 経済経営研究所, 教授 (00171273)
岩佐 代市 関西大学, 商学部, 教授 (40107933)
柴 健次 関西大学, 商学部, 教授 (40154231)
渡邊 真治 関西大学, 総合情報学部, 教授 (80254449)
武田 浩一 法政大学, 経済学部, 助教授 (40328919)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2002
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キーワード | 情報システム投資 / 銀行業 / ミクロ・データ / 生産性分析 / 管理会計 / バランスド・スコアカード |
研究概要 |
本研究は、「株式市場で評価された企業価値に与える情報技術資産の貢献度の計測」が、当該産業の情報システム投資の評価手法として非常に優れているが、個別企業の評価手法としては適切ではない、との認識から出発した。 最初に、われわれは、生産フロンティアからの距離により定義された技術的効率性指標を用いて、1993年から1999年までの個別銀行のさまざまな資産が効率性にどのような影響を与えるかという問題に対して、クロスセクション分析を行った。使用した統計処理ソフトウェアはEconometric Software Inc. LIMDEP Ver.8.0である。 上記の効率性計測にあたっての最大の難問は銀行の生産物をどのように定義するかであった。われわれは、5種類の生産物の定義を用いて計測を行った。その結果、統計的に有意な場合が最も多かったのが「預金額と貸出額の合計値から不良債権を差し引いた額」を生産物とする定義であった。さらに、効率性に対して安定した正の効果を常に与えているのはソフトウェア資産であることが明らかになった。この手法は時系列分析にも拡張可能である。 第2に、われわれは、情報システムには当該企業の組織と人的資本が決定的に重要であるとの認識を得て、この問題を統計的に処理する手法の開発に取り組んだ。近畿郵政局管内の郵便局3110局に対して層化抽出法により600通の「IT戦略アンケート」を郵送して326の回答を得た。回答結果のクロス集計表を分析した結果、教育訓練と現場への権限委譲の進展がIT投資の技術的効率性に決定的に重要であることが判明した。これが、第3の新知見である。 最後に、効率評価対象を多様化させる試みとして、バランスド・スコアカードの手法を導入して4大銀行グループの評価を行った。その結果、財務データと他の指標の評価が逆方向に向かう傾向があることが判明した。これが、第4の新知見である。
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