研究概要 |
初年度の目標は系列のマルコフ性の評価法の確立すること,具体的に,系列がN値の場合,中心極限定理が成立することに基づく系列のマルコフ性の評価法を確立することであった. 研究実施項目を以下に示す. ・マルコフN値系列の長さmのパタンの頻度の期待値と分散の理論的評価を行なった. ・任意のN状態マルコフ連鎖を実現する離散力学系の構成法はKalman(1956)により与えられた.構成された力学系をKalmanの写像と呼ぶ.これは,マルコフ連鎖が与えられたとき,決定論的にマルコフ連鎖を表現できることを意味する.Kalmanの構成法を利用して計算機によりマルコフ連鎖を表現し,長さmのパタンの頻度の期待値と分散だけでマルコフ性が推定できるか実験で検討したが,Nが4以上の場合に、誤差が大きくなることがわかった.
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