近赤外線モガイクカメラの開発

2000 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11554005
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 市川 隆 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80212992)
• 研究分担者: 山田 亨 国立天文台, 光学赤外線天文学研究系, 助教授 (90271519) ; 青木 勉 東京大学, 理学系研究科, 助手 (10251414) ; 田村 眞一 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004371)
• キーワード: 近赤外線 / 2次元センサー / モザイク化

研究概要

本研究では2048×2048HgCdTe近赤外線チップを2個配置した約800万素子相当の近赤外線モザイクカメラを開発する。研究の目的はこの赤外線センサーの駆動回路を開発し、センサーをモザイク配列にして高速に駆動し、画像データを取得するシステムを開発することにある。本装置は波長0.8μm(Iバンド)〜2.5μm(Kバンド)に最適化され、すばる望遠鏡に搭載する計画の近赤外線多天体分光撮像装置のセンサー部として組み込まれる予定である。昨年度中にコントローラと駆動回路の基本部分の開発は終了したので、本年度は簡単な撮像装置を製作して、その性能評価と撮像実験を行った。その結果、駆動回路の性能は赤外線チップそのもののノイズよりも小さく、チップの性能を最大限発揮することを確認した。また撮像装置に試験チップを搭載して、画像の読み出し実験を行った。試験チップではあるが、チップに写る文字の影の撮影に成功し、開発したコントロール回路が2次元センサーの読み出しに有効であることを確認した。さらにこの撮像装置を東京大学木曽観測所の105cmシュミット望遠鏡に取り付けて、天文学の観測実験を行うために、望遠鏡とのインターフェースを製作した。:試験結果を基に、回路に改良を加え、さらに高性能のコントローラを製作中である。今後は赤外線チップを2個搭載するデュワーを製作し、2個同時に駆動する回路の開発を予定している。

研究成果

• [文献書誌] Blanton,M.: "The Luminosity Function of Galaxies in SDSS Data"Astrophysical Journal. (in press). (2001)
• [文献書誌] Tutui,Y.: "CD Observation of Luminous 2R Galaxies at Intermediate"Publ.Astron.Soc.Japan. 52. 803-820 (2000)
• [文献書誌] Fan,X.: "The Discovery of a Lambious Z=5.80 Quasar from the SDSS Survey"Astron.J.. 120. 1167-1174 (2000)
• [文献書誌] York,D.G.: "The sloan Digital Sky Survey : Technical Summary"Astron.J.. 120. 1579-1587 (2000)
• [文献書誌] Fan,X.: "L Dwarfs Found In the SDSS Imaging Data"Astron.J.. 119. 927-935 (2000)
• [文献書誌] Iye,M.: "Subaru First-Light Deep Photometry of glaxies"Publ.Astron.soc.Japan. 52. 9-23 (1999)