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1999 年度 実績報告書

ミリ波・サブミリ波領域におけるフィンライン型超伝導ミクサの開発

研究課題

研究課題/領域番号 11554006
研究種目

基盤研究(B)

研究機関大阪府立大学

研究代表者

小川 英夫  大阪府立大学, 総合科学部, 教授 (20022717)

研究分担者 水野 亮  名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80212231)
堀中 博道  大阪府立大学, 工学部, 教授 (60137239)
米倉 覚則  大阪府立大学, 総合科学部, 助手 (90305665)
森下 弘之  ダイキン工業, 半導体機器部, 主任研究員
田原 修一  NEC, 基礎研究所, 研究マネージャー
キーワード超伝導 / ミリ波 / ミクサ / 逓倍器
研究概要

我々はこれまで、215GHzから240GHzの周波数帯域でSISミクサの開発を行い、50K(DSB)の雑音温度を達成している。このミクサマウント内にはLO導波管が組み込まれており、LOパワーはSIS素子基板上のRFフィルターを通してSIS素子に供給される。我々はこのミクサをLO Path Built-in Mixer(LPBミクサ)と名付けた。LPBミクサの導入により、従来の方向性結合器やビームスプリッターを用いる方式に比べ、これらの影響による入力信号の挿入損がなく、よりコンパクトな設計と、SISミクサヘの安定したLOパワーの供給が可能となった。今回は、新しいLO系の開発及びLPBミクサの性能評価を、201GHzから210GHzの周波数域で行ったので、報告する。
LO系の構成は、W-band(86〜115GHz)のGunn発振器の出力を2逓倍する方式をとった。逓倍器は、70GHz×3逓倍器の導波管をスケールダウンし、チョークを新たに設計して、製作した。この逓倍器は、バラクターダイオードにウィスカリングをするタイプのものであり、入出力側の導波管にはそれぞれバックショートがついている。これまでに5つの逓倍器の製作に成功し、実際にLPBミクサと組み合わせて実験したところ、SIS素子に十分なLOパワーが供給されていることがわかった。このときの受信器雑音温度は209GHzで100K(DSB)を達成した。さらに、サブバックショートをチューニングすることで、サイドバンド比を最高で10dB以上とれることがcomb-generatorを用いた測定で確認された。また、アラン分散最下点までの到達時間は、ビームスプリッター方式の時よりも2倍以上長く、とても安定したシステムであるといえる。
2000年1月には、今回開発したLPBミクサおよびLO系を用い、実際にチリにおいて、大気中のオゾンを観測し、スペクトルを受信することに成功した。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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