研究課題/領域番号 |
11554010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
大森 恒彦 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (80185389)
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研究分担者 |
汲田 哲郎 東京都立大学, 理学部, 助手 (30271159)
早野 仁司 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (00173055)
栗原 良将 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50195559)
常見 明良 住友重機械工業, 総合研究所, 研究員
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キーワード | polarized positron beam / 偏極陽電子ビーム / linear collider / リニアコライダー / laser-Compton scattering / レーザーコンプトン散乱 / head-on-collision / 正面衝突 |
研究概要 |
平成11年度は主として次の3点の研究を行った。 1)電子ビーム調整中に凹面鏡を遠隔操作によりビームラインから退避させる装置、および凹面鏡の角度を遠隔操作により真空中で微調整する装置の設計制作。 2)穴あき凹面鏡を設計・制作した。 3)電子ビームとレーザービームの衝突効率を最適化するための詳細設計。 これら3点の、各々の研究実績は以下のとおりである。 1)退避機構、角度の微調整機構ともに十分な精度で動くことを確認した。すなわち退避機構は、その動作を繰り返しても位置の再現性が数十ミクロン程度に収まった。また角度の微調整に関しては3マイクロ・ラジアンの分解能で制御できることを確認した。 2)制作した凹面鏡を実際に使うレーザービーム(波長532nm)でテストし、予定したように90%の反射率を持ち、また鏡面の加工精度も十分であることを確認した。しかし、使用するレーザービームが極めて高出力(550mJ/pulse)であるため、最大出量でレーザービームを凹面鏡に照射した後、その表面にダメージが観察された。この原因を調べたところガスの付着である可能性が高いことが分かった。現在このダメージを避ける方法を検討中である。 3)詳細な検討の結果、コンプトンチェンバーの設計を当初の計画から変更する可能性がでてきた。当初のコンセプト、すなわち「レーザーと電子の完全な正面衝突とレーザービームの強収束を両立させる」自体には変更はない。しかしながら、凹面鏡表面のダメージ等を検討した結果、凹面鏡でのレーザーのスポットサイズを大きくし、そのかわりに凹面鏡の焦点距離を当初予定より長くすることを検討している。この部分は来年度の初めまでかけてさらに詳細に検討し・決定する予定である。
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