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2000 年度 実績報告書

レーザー光と電子の高効率衝突による高強度・極短パルス・高偏極・陽電子ビームの開発

研究課題

研究課題/領域番号 11554010
研究機関高エネルギー加速器研究機構

研究代表者

大森 恒彦  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (80185389)

研究分担者 汲田 哲郎  東京都立大学, 理学部, 助手 (30271159)
早野 仁司  高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (00173055)
栗原 良将  高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助手 (50195559)
常見 明良  住友重機械工業, 総合研究所, 研究員
キーワードpolarized positron beam / 偏極陽電子ビーム / linear collider / リニアコライダー / laser-Compton scattering / レーザーコンプトン散乱 / head-on-collision / 正面衝突
研究概要

平成12年度はコンプトンチェンバー本体を制作し、レーザービームと電子ビームの衝突実験を行った。この実験の成果は以下のようなものである。
1)パルス当たり約2x10^5ヶのガンマ線を生成
2)パルス幅は約20ピコ秒
このガンマ線量は、コンプトンチェンバー導入前の我々自身の値の約70倍である。また20ピコ秒という極短パルス中に、このような大量のガンマ線を生成した実験は他に例がない。実験時のレーザーと電子ビームのエネルギー、強度、パルス幅は各々以下のようであった。
・レーザー:エネルギー=2.33eV、強度=400mJ/パルス、パルス幅=4ナノ秒
・電子:エネルギー=1.26GeV、強度=1x10^<10>ヶ/パルス、パルス幅=20ピコ秒
この実験により、穴あき凹面鏡を電子ビームラインに挿入し、レーザービームと電子ビームの高効率な衝突を実現するというアイデアの有効性が確認できた。なお当初、高エネルギーの電子ビームのハローが凹面鏡の表面に損傷を与えることが懸念されたが、現在までに既に延べ20日ほど実験し、鏡の損傷はいっさい生じていない。
なお今回の実験ではレーザー装置は高エネルギー加速器研究機構に既設のものを用いたので、必ずしも本実験に対して最適化されているわけではない。具体的にはレーザーパルスの幅が4ナノ秒であり、これは最適な値より遥かに長く、レーザーパルスのほとんどの部分が有効に利用されていない。したがって今回の実験で示された衝突効率は、この方式の原理的な限界ではない。本来この実験ではレーザーのパルス幅は10ピコ秒前後であることが望ましい。したがってもし新規に10ピコ秒のレーザーを用意できれば、現在の400分の1のレーザー強度、すなわち4mJ/パルスの強度で、現在と同じ数のガンマ線が生成できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K.Dobashi 他11名: "Design of polarized-positron generation system"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. A455. 32-35 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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