研究課題/領域番号 |
11554032
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
金 幸夫 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助教授 (40186367)
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研究分担者 |
久本 秀明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00286642)
北森 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60214821)
セルゲイ クラユシュキン (株)東京インスツルメンツ, レーザー計測開発課, 係長(研究職)
佐藤 記一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50321906)
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キーワード | 顕微分光 / レーザー捕捉 / フローセル / 固相濃縮 / 抽出 / 微粒子 / 細胞 |
研究概要 |
初年度に作製したシステムの最適化を進めるとともに、溶液フロー条件下での単一微粒子のマニピュレーション法の理論的解析により得た結果より測定対象となる微粒子の検討を進めた。また、顕微強化での分光測定の高感度化を図るため、新たに顕微蛍光測定および熱レンズ顕微鏡による光熱変化測定法を導入した。これらの展開により、本年度は、1.単一微粒子に基づく固相濃縮法を展開すると共に、2.単一液滴により抽出法への応用、3.単一細胞(酵母)のレーザーマニピュレーションおよび外部溶液フローによる化学刺激に対する応答測定、4.細胞から放出される刺激応答物質のin situ超微量分析への応用へと研究を進めた。 これらの結果から、単一固体微粒子を用いた固相濃縮と同様に、単一液滴微粒子を用いて液相濃縮(抽出)も可能であることを示した。濃縮効率の流速、液滴粒径、濃度依存性を検討し、さらに新規な液液抽出ダイナミクスの研究法を提案することができた。また、単一細胞を測定対象とする新手法により、特に酵母細胞をモデルとして用いて、細胞周期の各段階での外部刺激応答、細胞内外の物質移動過程、および細胞内の器官間での物質移動過程を、蛍光物質をプローブとして追跡することができた。この成果をさらに発展させ、現在、細胞から放出される超微量の刺激応答物質を検出する手法への展開をはじめた。このために、非蛍光物質の高感度検出のため、新たに熱レンズ顕微鏡の導入を図り、新システムの作製を行った。
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