研究課題/領域番号 |
11554032
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
分離・精製・検出法
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研究機関 | 東京大学 (2000-2001) 北海道大学 (1999) |
研究代表者 |
金 幸夫 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助教授 (40186367)
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研究分担者 |
久本 秀明 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (00286642)
北森 武彦 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60214821)
セルゲイ クラユシュキン (株)東京インスツルメンツ, レーザー計測開発課, 係長(研究職)
佐藤 記一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50321906)
KRAYUSHKIN Sergey V. Tokyo Instruments, Inc., Assistant Manager
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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キーワード | 顕微分光 / レーザー捕捉 / フローセル / 抽出 / 固相濃縮 / 微粒子 / 細胞 |
研究概要 |
固体微粒子吸着剤への固相濃縮や、微小液滴の抽出など微粒子濃縮を利用した分析法が注目されている。本研究では単一微粒子マニピュレーション法と、微粒子一粒毎の測定が可能な顕微分光法・マイクロ電気化学法を組み合わせて、溶液フロー条件下での単一微粒子分析法を確立することを目的とした。 本研究では、単一微粒子を測定対象とするために、フローセル中に、微粒子を導入し、これをレーザー捕捉等の手法を用いてその一粒を固定化した後、他の微粒子を排出し、系中に一粒のみを残すシステムを開発した。これにより、連続的な単一微粒子試料の高感度分析が達成されるだけでなく、微粒子の界面で起こる現象を調べるための新たな研究手段となること、特に、微粒子のひとつである生細胞のその場観測や分析に非常に有用な手法となり得ることを示した。具体的には一粒の固定化法として、固体微粒子のフロー条件下でのレーザー捕捉法の開発と、捕捉力・プロトコルの最適化、マイクロピペットを用いた液滴の固定化法とそのサイズ制御、細胞自身の壁面に対する接着力を利用した固定化手法を開発した。さらに、フロー条件下での顕微分光法等を最適化し、実際の測定系として、単一イオン交換樹脂を用いたイオン交換ダイナミクスの測定と濃縮効率、単一油滴を用いた液/液溶媒抽出ダイナミクスの測定と抽出効率、単一酵母細胞を用いた細胞染色過程、および応答ダイナミクスの測定の検討を行った。これらの結果を通して、系中の単一微粒子を利用する分析法を開発し、その高感度分析法への応用、およびダイナミクス測定への応用等に対する有用性を示した。 また、本研究を遂行中に、界面活性剤を含む水相中に作製した単一微小油滴が、自発的に振動する現象を見出した。これは非線形化学現象を利用した新たな分析法への展開が期待される。
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