研究概要 |
共焦点レーザー顕微光学系と超高精度な可動試料ステージを組み合わせ,300ナノメートルの空間分解能を有する三次元分光顕微鏡を試作した。装置は,1)光照射部,2)顕微鏡部,3)分光検出部で構成した。光照射部では,青色固体レーザーを光源として用い,共焦点用ピンホールに集光後,顕微鏡内に平行光で導入した。顕微鏡部では,試料表面上にレーザー光を集光し,位置センサーを有した高精度可動ステージで試料を数ナノメートルの精度でXY走査可能とした。また,対物レンズも位置センサーを有したスキャナーによってz軸方向の走査を可能とした。分光検出部ではノッチフィルターを2枚設置し,レーザー散乱光をほぼ完全に遮蔽し,試料から発生するラマン散乱光および蛍光のみを分光器内に導入した。検出器としてはイメージインテンシファイアー付きのCCDカメラを用いることによって,任意の波長だけを選択し,その強度情報をもとに顕微画像が得られるようにした。直径100nmの蛍光微粒子に関して,半値幅330nmのスポット像が得られ,ほぼ理想的な光学条件が達成できたことを確認した。
|