研究課題/領域番号 |
11555001
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
村上 浩一 筑波大学, 物理工学系, 教授 (10116113)
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研究分担者 |
鈴木 堅吉 (株)日立製作所, 電子デバイス事業部・画像開発センタ, 主任技師(研究職)
北島 正弘 科学技術庁, 金属材料技術研究所, グループリーダー(研究職)
牧村 哲也 筑波大学, 物理工学系, 講師 (80261783)
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キーワード | シリコン / 水素 / 水素分子 / Si-H結合 / ラマン散乱 / レーザーアニール / ポリシリコン化 |
研究概要 |
本研究代表者らがこれまでに見い出したシリコン結晶中の3種類の水素分子に着目して、水素添加効果を調べ、その精密制御法を新たに編み出し、それに基づいてデバイス特性の向上を計ることが目的である。 本年度は、結晶シリコン中の水素の状態とアモルファスシリコン(a-Si)からレーザーアニールで作られたポリシリコン薄膜中の水素の状態を調べ、比較を行った。結果を以下にまとめる。(1)マイクロ波プラズマを用いて、水素原子処理と重水素原子処理を行い、分子の形成を試みた。また、(2)水素添加効果として同位体効果を明らかにした。これらは、種々の結晶シリコンで種々の温度における水素処理の結果、形成された水素分子とSi-H結合のラマン散乱スペクトルの詳細な検討により行った。また、(3)水素を添加した結晶シリコン基板を熱アニールし、多原子空孔に捕捉された水素分子の拡散の挙動を系統的に調べた。一方、(4)応用研究として、プラズマCVDで堆積した高濃度水素を含むa-Siから熱処理で水素を除き、その量の変化をラマン測定で評価する方法を開発した。SIMS測定とラマン散乱測定によって水素の含有量とSi-Hシグナルの相関を調べ、ラマン散乱法がその評価法として使えることを示した。エキシマーレーザーを用いてガラス基板上の薄いa-Si堆積層のレーザーアニールを行い、多結晶化させ、その状態をしらべた。しかし、モホロジーの問題があり、Si-Hの結合についての知見は得られないことがわかった。その研究のためには、顕微ラマン法を用いて評価するか、低温測定を適用するか、もしくは多結晶化した表面モホロジーの改良を行うことが今後必要であると考えられる。
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