研究課題/領域番号 |
11555006
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
後藤 康仁 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00225666)
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研究分担者 |
辻 博司 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20127103)
石川 順三 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80026278)
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キーワード | 窒化ニオブ薄膜 / 極微フィールドエミッタアレイ / ゲート電極 / イオンビーム援用蒸着 / 転写モールド法 / エッチバック法 / テトラメチルアンモニウムヒドロキシド / 水酸化カリウム |
研究概要 |
窒化ニオブ薄膜を陰極としたゲート付き極微フィールドエミッタアレイの試作を行なった。本年度の研究では、ゲート付きエミッタアレイの形成を大きく二つの段階に分けてそれぞれのプロセスを検討した。第一は表面が窒化ニオブ薄膜で覆われたエミッタの形成、第二はこのエミッタに対するゲートの形成である。エミッタ形成には、アレイの面内でそろった先端形状が得られると言われている転写モールド法を利用した。シリコン基板の表面を熱酸化した後、フォトリソグラフィーにより26個の円形状のパターンを転写した。緩衝弗酸により酸化シリコンのパターンをエッチングし、さらにテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを用いてシリコン基板の異方性エッチングを行なった。一旦酸化膜を除去した後、再度熱酸化を行い、ゲートとエミッタの層間絶縁膜となる層を形成した後、このモ-ルド内に窒化ニオブ薄膜をイオンビーム援用蒸着により形成した。蒸着後、真空用接着剤によりガラス板に接着し、モールドのシリコンを機械研磨・ウエットエッチングを併用して除去した。この時点で酸化膜に覆われた窒化ニオブエミッタが得られた。酸化膜の上に電子ビーム蒸着等によりモリブデンを蒸着し、ゲート電極を形成した。その後フォトレジストをスピンコートした上で試料をリン硝酸に浸し、ゲート開口を形成した。さらに緩衝弗酸で熱酸化シリコンを除去してゲート電極付き極微フィールドエミッタアレイを形成することができた。当初懸念された窒化ニオブの緩衝弗酸に対する耐性は十分であったが、イオンビーム援用蒸着においてモールド内に形成される薄膜はモ-ルド内により若干組成がずれることが明らかとなった。この点については次年度に詰めることにする。
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