研究課題/領域番号 |
11555009
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
笹木 敬司 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (00183822)
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研究分担者 |
藤原 英樹 北海道大学, 電子科学研究所, 研究機関研究員
梶谷 和男 オリンパス光学工業(株), 光学技術部・係長
堀田 純一 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (80301919)
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キーワード | 微小球レーザー / アップコンバージョン発光 / 多光子励起 / 希土類イオン / 近接場顕微鏡 / レーザーマニピュレーション |
研究概要 |
本研究では、希土類イオンをドープしたガラス微小球を新たに作製し、近赤外光を用いた多光子励起により可視、紫外領域の安定したレーザー発振(アップコンバージョンレーザー発振)を誘起し、実用的な近接場プローブを開発するための基礎的研究を行っている。本ガラス微小球は、(1)希土類イオンによる長時間安定したレーザー発振が可能、(2)アップコンバージョンによりポンプ光と発振光の波長分離が容易、(3)微小球プローブを非接触・非破壊的に操作するための光マニピュレーション用近赤外レーザー光を同時にポンプ光として用いることが可能、という特徴を持つ。本年度は、LD励起Nd:YAGレーザーの基本波を調整光学系を通して倒立型光学顕微鏡に導き、ガラス微小球に集光してレーザーマニピュレーションを行うとともにアップコンバージョンレーザー発振を誘起する装置を試作した。微粒子からの発光は、現有のスループットの高い分光器およびマルチチャンネル検出器によりスペクトル測定を行なった。本装置により、微小球レーザー発振のピーク波長や強度を解析して理論と比較し考察した。また、パルスレーザー発振を誘起したときの時間特性についても理論的・実験的に解析し、ダイナミック分光への応用を検討した。また、これまで我々が開発してきた装置ならびに微小球操作用コンピュータ制御電動ミラーと組み合わせてガラス微小球レーザー近接場プローブ顕微分光システムの構築を試みた。時間・空間分解能、精度、感度などの基礎的な性能を標準試料を用いて評価した上で、ナノメートル微細構造体における光ダイナミクスを直接観察したり、空間配列したナノ微粒子や光の放射圧によってコンフォメーションや配向構造を制御した分子集合体の振る舞いの超高速時間分解分光を試みている。
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