本研究は、高分解能で広い計測範囲を高速に測定できる三次元形状顕微計測システムを開発することを目的とする。具体的にはピエゾなどの機械的可動部を持たず、数ミクロンから数百ミクロンの不連続段差をもつ3次元物体の絶対形状を全画素同時並列計測するシステムの実現を目指す。 本年度(初年度)は、準備段階として可変波長モジュール、顕微計測システムの設計と構築を中心に以下の計画を実施した。 1.近赤外領域の広範囲波長走査が可能な可変波長モジュールの設計 可変波長域を拡大するとともに高スペクトル分解能と広いフリースペクトルレンジを実現するため、タンデム接続型液晶ファブリー・ペロー素子を設計した。計算機シミュレーションにより性能評価をし実現可能性を確認した。 2.タンデム液晶ファブリー・ペロー素子の試作 設計に基づきタンデム接続するための2種類の液晶ファブリー・ペロー素子を試作した。試作した素子の個々の特性とタンデム接続したときの特性を評価する準備が整った。 3.波長走査式顕微干渉計測システムの設計と試作 システムの光学設計と干渉顕微鏡の一部を改造した計測システムの試作を開始し、光源の温度制御部を完成させた。 4.精密波長制御および画像データ取得のためのシステム制御プログラムの開発 可変波長液晶ファブリーペロー素子の電圧対共振波長特性を補正するための精密波長制御機と制御プログラムの開発と画像の高速蓄積システムの開発を開始し、画像取得部を完成させた。
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