研究課題/領域番号 |
11555018
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松田 理 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30239024)
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研究分担者 |
稲垣 克彦 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (60301933)
武藤 俊一 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00114900)
WRIGHT Oliver B 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90281790)
山本 典孝 セイコーインズノルメンツ株式会社, 基盤技術部, 研究員
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キーワード | 走査プローブ顕微鏡 / 超音波力顕微鏡 / 局所弾性率 / 粘性 / カンチレバーダイナミクス / フォースカーブ / UFM / 吸着力 |
研究概要 |
本研究は、1nm以下の水平分解能を持つ走査型超音波プローブ顕微鏡の応用の開発と物理の解明を行う。試料・探針カンチレバーの振動に寄与する弾性力・粘性、試料・探針間の表面エネルギーによる吸着力を分離し解析し、それにより固体表面の局所的複素弾性率の測定を定量化することを目標とした。 前年度に作製した走査型超音波プローブ顕微鏡を用いて、カンチレバーの共振周波数の上および下を含む様々な振動数および様々な振幅を持つ超音波励起下で、試料探針間距離とカンチレバーの変位との関係を示すフォースカーブ測定を行った。試料としてはSi単結晶、GaAs単結晶を用いた。振動の振幅はマイケルソン干渉計で校正した。得られたフォースカーブには以下のような共通の現象が見られた。1)振動を加えていない場合、試料探針の接近時には小さな「ジャンプイン」、引き離し時には比較的大きな「ジャンプアウト」が観測される。2)試料の振幅を増していくと、「ジャンプアウト」の起る試料ステージ位置は急速に高くなっていく。3)ある閾値以上の振幅では、接近、引き離し時共にほぼ同じ試料ステージ位置で特徴的な斥力側へのジャンプが観測された。 上記の実験結果を理解するために、試料-探針間の弾性力、ダンピング、吸着力およびカンチレバーの弾性、ダンピングを考慮してカンチレバーのダイナミクスを差分解析法を用いて数値的に解析した。試料探針間の相互作用としてJKRモデルを用いた。計算結果は、上記1)および2)の実験結果については定量的に再現することができ、この解析法が有効であることが示された。
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