研究分担者 |
駒崎 慎一 秋田大学, システム科学技術学部, 助手
川崎 亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50177664)
庄司 哲雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80091700)
岡田 郁生 三菱重工業株式会社, 高砂研究所, 主任(研究職)
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研究概要 |
平成11年度にはスモールパンチ(SP)クリープ試験法の基礎を整備する目的のために,以下の研究(1-3)を行った。 研究(1)1500℃級SPクリープ試験装置の開発 ガスタービン用高温部材を対象としたSPクリープ試験装置の設計・開発を行った。温度1500℃,荷重容量100kgfの高温SPクリープ装置を試作し,その性能を確認した。これにより,真空中ならびに大気中における1500℃級SPクリープ試験を可能にした。特に真空中における予備的試験では,試験片の酸化を抑制でき,薄い試験片を用いる本SPクリープ試験で高温クリープ特性を評価しうる見通しを得た。 研究(2)SPクリープにおける応力・ひずみ解析 SPクリープ試験片は,周辺が固定支持され試験片の中央に集中荷重を受ける。クリープに伴う変形過程を把握することを目的として,中断試験を実施することによりクリープ変形状態を追跡した。これにより,SPクリープ変形においては曲げ変形ではなく2軸の張り出し変形が主たる変形モードであることを明らかにした。これは,SPクリープ変形からクリープひずみを推定する上で基礎となる知見である。 研究(3)一軸クリープ試験との相関関係の検討 種々の応力,温度下でSPクリープ試験を実施し変位-時間曲線のデータを取得した。SPクリープ試験により得られた変位-時間曲線は,一軸クリープ試験と類似の一次から三次クリープ曲線を示すこと,ならびに二次クリープ変形速度から得られた活性化エネルギーは一軸クリープの値と比較的近いものであることを見出した。SPクリープ試験の変位-時間曲線をひずみ-時間曲線に変換するための検討が今後の課題となっている。
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