研究分担者 |
駒崎 慎一 室蘭工業大学, 材料物性工学科, 助手 (70315646)
川崎 亮 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50177664)
庄子 哲雄 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80091700)
岡田 郁生 三菱重工業株式会社, 高砂研究所, 主任(研究職)
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研究概要 |
スモールパンチ(SP)クリープ試験により高温構造材料のクリープ劣化診断技術の開発を目的として、ボイラーおよびガスタービン用材料の長期使用材を用いた検討により以下の知見を得た。 研究(1)1500℃級SPクリープ試験装置の開発 温度1500℃,荷重容量500Nの高温SPクリープ試験装置を試作し、10mm×10mm×0.3mmの小型試験片を用いたクリープ試験法を開発することに成功した。特に、真空中で実験を行うことにより、試験片の酸化を抑制した小型試験片による高温クリープ特性評価を実施することを提案している。 研究(2)SPクリープ試験片における変形、破壊挙動 ボイラー用鋼(9Crフェライト鋼、9Cr1MoVNb鋼)ならびにガスタービン用一方向凝固Ni基超合金(CM247LC)を用いて、種々の荷重,温度条件下でSPクリープ試験を実施しすることにより、SPクリープ試験片においては、2軸の張り出し変形が主たる変形モードであること、得られた変異-時間曲線は,一軸クリープ試験と類似の一次から三次クリープ曲線を示すことを明らかにし,さらに二次クリープ変形速度から得られた活性化エネルギーは一軸クリープの値と比較的近いものであることを見出した。 研究(3)実機使用材ならびに人工熱時効材のSPクリープ特性評価 ボイラー用チューブ鋼材として10万時間使用されたSUS316 HTB、ボイラー用バルブ鋼材の9Cr1MoVNb、さらに9Crフェライト鋼の時効劣化材を対象にして、開発したSPクリープ試験法を適用した。ラーソン-ミラーパラメータで整理した実験データを基に、SPクリープ試験により高温劣化がクリープ特性に及ぼす影響を評価しうることを、新材との比較により明らかにした。この知見を基に、SPクリープ試験に基づく高温構造・機器部材におけるクリープ劣化を検出する方法を提案した。
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