研究概要 |
材料の表面を高強度化あるいは高機能化するために,めっき,熱処理,PVD,CVD,溶射などの多様なコーティング技術が利用されている.目的に適った強度や機能を有するコーティングを施し,有効に使用するためには,コーティング層の材料特性,密着性,剥離,摩耗などの評価や検出が必要である.そこで,本研究では,表面波探触子とウェーブレット解析を併用することにより表面波の分散特性を正確かつ簡便に計測する技術を発展させ,超音波によるコーティング層の非破壊評価の実用化を図ることを目的とする.具体的には,これまでに開発した表面波探触子の改良を進めるとともに,ウェーブレット解析による分散特性の算定などの演算処理をできる限り自動化することによって,実用に適するシステムの構築を試みた.すなわち,分散性波動の波形解析に対してウェーブレット変換を適用することによって弾性波パルスの到達時刻を周波数毎に求める方法について,その精度を向上させる方法について検討するとともに,そのソフトウェアーの整備を行った.さらに,コーティング材の非破壊評価への適用可能性について検討するために,比較的広帯域のLamb波を送受信するために開発した接触型探触子を用いた実験を行い,弾性定数を同定した.その結果,本手法は,十分な有用性を有していることを明らかにした.
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