研究概要 |
本研究では,金属などに塗布された高分子皮膜および薄膜の微小領域に作用する応力を定量的に計測する技術を確立することを目的とした.このため,皮膜が形成されている基板材料でレーザ光を反射させる方式の光弾性応力計測装置(反射型偏光レーザ顕微鏡:仮称)の試作を目的とし研究を進めた.共焦点型の光学系は、位置調整などの技術的問題があり完成していないが、改良を重ねることで十分可能になると考えられる. [1] 共焦点型光学系の試作と調整 試験片の表面と反射面からの反射光を分離するために共焦点型光学系を設計・試作し,調整を行った.しかしながら、共焦点の位置合わせが困難なため、十分な表面反射の除去ができなかった.この部分については、今後研究を継続して行う必要がることがわかった. [2] ガラスの応力分布計測 片面にAlコートを施したガラス板の引張試験片を試作し,引張荷重を作用させた.このガラスに生じた複屈折位相差の分布を反射型偏光レーザ顕微鏡で計測し主応力差の分布を求めることができた.計測結果から,反射型偏光レーザ顕微鏡を用いた応力評価の妥当性を確認した. [3] 表面反射光の影響の評価 片面のAlコートの濃度を変化させた試験片を複数用意し、表面反射光の影響の違いを調べた.その測定結果から表面反射光を差し引くことで、より正確な応力測定が可能なことがわかった.
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