研究課題/領域番号 |
11555037
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東京工業高等専門学校 |
研究代表者 |
黒崎 茂 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (70042710)
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研究分担者 |
高橋 三男 東京工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (40197182)
清水 昭博 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (90149914)
吉村 靖夫 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (20042682)
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キーワード | 圧電高分子薄膜 / ポリフッカビニリデン / 疲労き裂伝播 / 知能材料 / 実験応力解析 / ひずみゲージ |
研究概要 |
圧電高分子薄膜ゲージ(ポリフッカビニリデン(以下PVDF))を用いて疲労き裂伝播検出が可能ならば、PVDFゲージを材料に貼り付けることにより、材料のき裂検知知能化が可能である。なぜならばPVDFゲージは、動的変形に伴い高い出力電圧を生ずることから増幅アンプを必要としないためである。本研究では下記の2点を実験により調べた。 (1)圧電高分子薄膜の疲労き裂伝播測定の可能性 PVDFゲージを用いて構造部材の疲労き裂伝播特性を、検出できるかどうか実験的に検証した。使用試験片は、ASTM-E647に基づくCT試験片を用いて、クラックゲージとPVDFゲージをそれぞれ両面に貼り付け、疲労試験を行った。繰り返し数(N)-疲労き裂長さ(a)とは、両者ともよい一致をみた。このことからPVDFゲージの疲労き裂測定の可能性がある。 (2)圧電高分子薄膜(PVDF)ゲージの疲労き裂出力電圧特性の実験 疲労き裂が進展するに従いPVDFゲージの出力電圧が増加する。この出力電圧が何に起因するのか、以下の仮説をたてて実験的に調べた。仮説(1)単純にPVDF薄膜ゲージが切断されたために出力電圧が増加する。仮説(2)疲労き裂によりPVDFゲージのき裂回りのひずみ場が大きくなることによりPVDF電圧が増加する。 実験は、単純にカッターでPVDFゲージを切断する実験と疲労き裂進展試験を実施した。 その結果、仮説(2)のき裂が進展するに従いき裂先端部近傍のひずみ場が大きくなり、貼られているPVDFゲージの変形が大きくなる。このため出力電圧が、大きくなることがわかった。
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