研究概要 |
測定装置の基本設計を行い,製作を開始するとともに,画像撮影系のハイビジョン化とコンピュータ環境のWindowsNTへの移行,およびこれらに伴う画像処理プログラムの改変作業などのソフト開発を完成させた. 1.マイケルソン干渉光学系:無限遠補正方式のリニーク型マイケルソン干渉光学系を採用することとした.これは,物体面側と参照面側に同一仕様の対物レンズを配置して,その後焦点位置に光源像を結像して,平行光を物体面と参照面に照射するように構成したものである.各光学部品の調整の結果,拡大して(最大倍率20倍)等傾角の干渉縞パターンを形成することが可能となった. また,無限遠補正方式の採用により,干渉光を2分割して,一方をCCDカメラに,他方をPSDに導入することにより,それぞれの受光面に同一の干渉縞を形成することが可能となった. 2.フリンジフォローイング系:PSD出力を増幅して,精密ピエゾアクチュエータにより,参照面を駆動することにより,干渉縞パターンを画面上に固定することが可能となった. 3.ハイビジョン画像撮影系:空間分解能を向上するために,画像撮影系にハイビジョン方式(200万画素)を導入するとともに,画像処理のコンピュータ環境をMS-DOSからWindowsNTに移行させた.ハイビジョン化により,尾根線の品質が飛躍的に向上した. 4.画像処理手順:新環境のもとで空間フィルタによる平滑化処理,縞の階調強度を放物線最小二乗近似して尾根線として検出する尾根線検出処理,複数の尾根線を用いて平均化により縞パラメータの精度を向上する平均化処理などの画像処理プログラムを開発した. 5.処理の自動化:これらの一連の処理手順を自動化し,大容量の画像データを連続的に採取することが可能となった.また,画像切り取り処理などを,すべて自動化することが可能となり,画像採取・画像処理の操作性が大幅に向上した.
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