研究課題/領域番号 |
11555063
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
長南 征二 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20005424)
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研究分担者 |
谷 順二 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (30006192)
折笠 精一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60001004)
江 鐘偉 山口大学, 工学部・機械工学科, 教授 (60225357)
田中 真美 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (80271873)
古屋 泰文 弘前大学, 理工学部・知能機械工学科, 教授 (20133051)
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キーワード | 形状記憶合金 / 人工尿道バルブ / 経皮的電力伝送装置 / 動物実験 |
研究概要 |
管腔臓器とは、尿管、腸管、血管、精管、卵管などの総称である。近年、高齢化に伴う老人患者や交通事故による脊髄損傷患者の急増により、尿失禁に対する治療法の確率への要望が高まっている。また、食生活の欧米化に伴って我が国においても直腸癌の発生率は上昇の一途にある。直腸癌の手術により人工肛門を必要としたり、本来の肛門機能の低下を来したりすることがある。患者の Quality of life の維持や治癒後の日常生活をエンジョイするためには、コンパクトで応答性の良い人工肛門弁の開発が必要となっている。また、生活の多様化や女子の就業率の上昇にともないBirth Controlの必要性が高まっており、随意に開閉できる精管・卵管弁が開発されれば現代社会にとって大きな福音となり得る。さらに、心臓血管手術、動脈瘤の手術、脳の手術、腎臓の血管手術、癌の下大静脈腫瘍血栓除去など、血管支配領域の臓器機能の保持の観点から血管の閉塞・解除を一定時間内に,頻回に行なう必要のあるケースが多い。この際、コンパクトでかつ高応答性の人工開閉弁が開発されていればその適用性は大きく有用性は大きい。 本年度の研究では管腔臓器の人工開閉弁の中でも特に人工尿道開閉弁に焦点を当て開発を目指し、形状記憶合金をアクチュエータとする尿道開閉用人工バルブの開発を行った。特に本年度は形状記憶合金の薄板からなる人工尿道バルブの改良および非接触経皮的電力伝送システムを用いた電力実験を行いバルブ及びエネルギ伝送システムについて検討を行った。得られた結果を要約すると以下のようになる。 (1)試作改良を繰り返し小型化さらに体内に埋め込んでも安全な形状のバルブを製作し、動物実験によってその動作特性を確認した。 (2)電力伝送システムは発振・増幅・伝送回路から構成された小型の経皮的電力伝送装置を開発し、実験室レベルおよび動物実験により動作確認を行った。実際、供給電力は約7Wで開発したバルブの駆動が出来、携帯としての電池駆動の可能性が示せた。
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