研究課題/領域番号 |
11555070
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中沢 賢 信州大学, 繊維学部, 教授 (90021138)
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研究分担者 |
松本 陽一 信州大学, 繊維学部, 教授 (50021176)
鳥海 浩一郎 信州大学, 繊維学部, 教授 (40016374)
河村 隆 信州大学, 繊維学部, 講師 (70242675)
丸田 明 金井重要工業(株), 開発室研究員
柳生 清秀 金井重要工業(株), 研究開発室長
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キーワード | 短繊維紡績 / 紡績糸 / 繊維リサイクル / 張力制御 / 習熟 / スキル / ロボット / 手紡ぎ |
研究概要 |
近年紡績性の悪い特殊原料の紡績の要求があり、また一方環境保全、省資源の観点からリサイクル繊維の紡績が求められている。こうした紡績性の悪い原料や不均質、雑多な原料は、均質な品質の良好な原料を対象とする現代の産業用紡績機では紡績できない。筆者らはこれらを紡績できるのは産業革命以前に使われた糸車式手紡ぎであると考え、それのロボット化の研究を進めてきた。 本年度は、フライヤー式紡ぎ車による手紡ぎを取り上げそれの解析に着手した。手紡ぎに習熟した人に作業をしてもらい、それをビデオテープに撮り作業動作の解析を行った。手紡ぎは幾通りかの方式があり、力学的原理も多少異なることが分かってきた。最もスキルが必要な部分は原料供給と引き延ばしおよび撚りの与え方であることが知れた。 筆者らはガラ紡の原理が手紡ぎのそれに酷似していることに着目し、ガラ紡をメカトロニクス化した張力制御紡績機(TCTDS)を開発している。この機械をより実用的なものにするためには糸形成における諸パラメータの関係を理論化する必要がある。ツイストドラフト紡績法では一般に撚率λと太さDの積がほぼ一定となることが知られているが、その定数を原料物性値、寸法などから定めることはなされていなかった。本研究では、糸形成部での撚りによる拘束と把持部の把持圧力による拘束のバランスから、Dλ=C_<Dλ>(=一定)を導くとともに、C_<Dλ>が単繊維の太さd、長さ1および繊維間摩擦係数μの関数で表されことを導き、実験によりそのモデルが極めて妥当であることを立証した。
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